不動産の設備で要注意な地雷設備7選!中古物件購入前のポイントを現役投資家が解説

不動産投資で注意したい設備

不動産投資で物件を選ぶとき、表面利回りの高さだけで判断するのは危険です。

物件に付いている設備によっては、維持費がかさんだり、故障時に数百万〜数千万円の交換費用がかかったりするためです。

本記事では、不動産投資やマンション開発を手がけ、不動産投資スクールも運営する現役投資家に知見をもとに、購入前に注意したい不動産の設備7つと、中古物件を買う際の確認ポイントを解説します。

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【監修者情報】不動産投資家 小原 正徳

1981年4月6日生まれ 不動産投資家
東京大学卒業後、EYグループ不動産部門、
ゴールドマン・サックスグループ不動産ファンド部門を経て
2016年に東京都新宿区株式会社不動産科学研究所で独立
2022年には総資産20億円を形成
同年、新たなチャレンジとして不動産投資スクールを開校し、自身の培ったノウハウの提供を開始

株式会社不動産科学研究所 代表取締役
宅地建物取引士
不動産鑑定士
不動産証券化協会認定マスター

目次

不動産投資で設備のチェックが重要な理由

不動産投資で維持費や修繕費がかかりやすい設備

不動産の設備をチェックすべき理由は、設備にかかるコストが表面利回りには反映されていないからです。

設備のコストには、保有中にかかり続ける点検費や光熱費などの「ランニングコスト」と、壊れたときの「修理・交換費用」の2種類があります。

交換費用は数十万円で済めばよいほうで、設備によっては数百万円、1,000万円を超えるケースもあります。

こうした費用を知らずに購入すると、「こんなはずじゃなかった」という事態になりかねません。逆に、設備ごとのリスクを知っていれば、物件を見送る判断や、購入前に確認すべきポイントが明確になります。

なお、機械設備が実際に使える年数は、おおむね15〜20年が目安です。法定耐用年数ではなく、現実の交換時期として覚えておきましょう。

不動産の購入前に注意したい地雷設備7選

不動産投資の物件選びで確認したい設備のチェックポイント

不動産前の購入前に注意したい7つの設備は以下の通りです。

  • 電気温水器
  • 増圧ポンプ・汚水ポンプ
  • 浄化槽
  • ロードヒーティング
  • エレベーター
  • 事務所ビルの空調設備
  • 機械式駐車場

なお、本記事の内容は以下のYoutube動画でも解説しています。

電気温水器

電気温水器は、故障時の交換費用が給湯器の数倍かかる設備です。

オール電化の物件では、お湯を電気で沸かす電気温水器が使われています。

ガス給湯器なら1世帯10万〜20万円程度で交換できますが、電気温水器は単身向け冷蔵庫の倍ほどの大型設備で、1台数十万円かかります。

10世帯の物件で一斉に寿命を迎えれば、500万〜600万円の出費です。

新築時はガス配管を引くよりオール電化のほうが安く建てられるため、比較的新しい物件で採用されがちです。購入時は設置から何年経っているかを必ず確認しましょう。

増圧ポンプ・汚水ポンプ

増圧ポンプは、毎日稼働しているぶん壊れやすく、交換に200万円前後かかる設備です。

5階建てなどの物件では、水道の圧力だけでは上階まで水が届かないため、水圧を上げる増圧ポンプが設置されます。

使える年数は15年程度が目安です。地下のある物件では、汚水を下水管までくみ上げる汚水ポンプが付いていることもあります。

増圧ポンプはメーカー推奨で年1回点検されているはずなので、点検報告書で不具合の有無を確認しましょう。売主が交換を避けるために売りに出しているケースもあります。

浄化槽

浄化槽は、交換になれば数百万円かかるうえ、下水のコストを大家が負担しがちな設備です。

下水管が前面道路まで来ていない地方の物件では、敷地内の浄化槽で排水を微生物分解して流します。小原さんが所有する物件の70人用浄化槽は、車2台分ほどの大きさだそうです。送風用のブロアーは15年程度、水槽本体も30年ほどで劣化が進みます。

また、下水道のある物件では入居者が下水道料金を払いますが、浄化槽の場合は維持費を大家が負担します。入居者から別途徴収していなければ、賃料から負担していることになります。

ロードヒーティング

ロードヒーティングは、雪が降るたびに大きなランニングコストがかかる設備です。

地面を温めて雪を溶かす設備で、行政が除雪しない敷地内の駐車場の車路などに設置されています。

私が以前購入した物件では、1回の降雪で2日間稼働し、灯油約250リットル、約3万円かかりました。

灯油ボイラー式と電熱線式があり、ボイラー式ではボイラー故障時に100万〜200万円ほどかかります。

燃料費と更新費用の両方を見込んでおきましょう。

エレベーター

エレベーターは、毎月の点検費に加え、全交換で1,000万円規模の費用がかかる設備です。

法定点検が毎月または2カ月に1回必要で、費用は月1万5,000円〜5万円以上。

表面利回りに含まれないため、同じ表面利回りならエレベーターのない物件が好まれます。

最大のリスクは全交換で、最近は1フロア150万〜200万円ほど見ておく必要があり、7〜8階建てなら1,000万円規模です。メンテナンスを続けても30年程度が目安とされます。

事務所ビルの空調設備

事務所ビルの空調は、全館更新で数千万円かかることもある設備です。

住宅のエアコンなら1台8万〜20万円ほどで交換できますが、オフィスの空調は天井埋め込み型など大型です。

私が管理会社時代に担当した築25〜30年ほどのビルでは、部品保有期間切れで修理できず、全館更新の見積もりは5,000万円(相見積もりで3,000万円)もかかりました。

築15〜20年を超える場合は交換済みかを確認しましょう。

機械式駐車場

私が「絶対に買わない」と決めているのが、機械式駐車場、特に車を上下に循環させる垂直循環方式です。

点検費が非常に高く、耐用年数は築20年ほどで駆動部品の交換だけでも2,000万円かかることがあります。

駐車場収入が利回りに含まれているため一見高利回りに見えますが、それは将来の巨額出費を抱えている裏返しです。

中古物件の購入時に注意したい不動産の設備のポイント

不動産の設備故障や修繕に関するリスク

設備のリスクを抑えるには、「どの設備が付いているか」だけでなく、年数・利回り・資金計画まで含めて判断することが大切です。

中古物件を購入する際は以下の4つのポイントに注意しましょう。

  • 不動産の設備は「設置年数」で判断する
  • 表面利回りではなく設備コスト込みの利回りで比較する
  • 設備の更新費用を見込んだ資金計画を立てる
  • 設備にかかる費用の負担区分を確認する

不動産の設備は「設置年数」で判断する

設備で重要なのは、建物の築年数ではなく、設備自体が設置から何年経っているかです。

たとえば築25年の物件でも、5年前に交換済みなら、あと10年ほどは使えると見込めます。

反対に築15年でも、新築時から一度も交換していなければ、いつ壊れてもおかしくありません。

エアコンや給湯器など一般的な設備も含め、15年を交換時期の目安として、設備ごとに残り年数を把握しておきましょう。

表面利回りではなく設備コスト込みの利回りで比較する

物件を比較するときは、表面利回りではなく、経費を差し引いたネット利回りで判断しましょう。

エレベーターの点検費や浄化槽の維持費、ロードヒーティングの燃料費などは、表面利回りには表れません。同じ表面利回りでも、設備の維持費によって手元に残るお金は大きく変わります。

機械式駐車場のように、設備から得られる収入が利回りを押し上げているケースもあるため、利回りの「中身」まで確認することが重要です。

設備の更新費用を見込んだ資金計画を立てる

高額な設備がある物件を買うなら、更新費用の調達方法まで考えておく必要があります。

理想は、購入時点で更新済みの物件を選ぶか、更新費用も含めて融資を受けることです。

それが難しい場合は、私自身も利用したオリコやジャックスなどのノンバンクのリフォームローンを活用するのも場合によってはおすすめです。

ただし、審査は資産状況などによって異なるため、借りられる前提で計画するのは避けましょう。

融資については、以下の記事でも詳しく解説しています。

設備にかかる費用の負担区分を確認する

設備に関する費用を、大家と入居者のどちらが負担しているかも確認しておきましょう。

代表例が浄化槽で、下水道のある物件なら入居者が下水道料金を払いますが、浄化槽の物件では大家が維持費を負担するため、入居者から「下水処理費」などの名目で徴収しているかどうかで収支が変わります。

また、賃貸物件の設備が故障した場合、修理は原則として大家の負担です。設備が多いほど、こうした突発的な支出も増えると考えておきましょう。

不動産購入前に業者に確認しておきたい設備のこと

不動産投資物件で発生する設備の維持管理費用

設備の状態は、物件資料だけでは分からないことがほとんどです。

購入前に、不動産会社を通じて次のような点を確認しましょう。

  • 設備の交換・修繕履歴
  • 点検報告書と不具合の有無
  • 売主が取得した修繕見積もりの有無
  • 設備の保守契約と維持費

確認しておくべき理由について、詳しく解説します。

設備の交換・修繕履歴

まず確認したいのが、主要な設備がいつ設置され、いつ交換・修繕されたかという履歴です。

給湯設備、ポンプ、エレベーター、空調などについて、「新築時から未交換か」「何年に交換したか」を聞いておきましょう。履歴が分かれば、購入後に交換時期がいつ来るかを予測でき、資金計画も立てやすくなります。

履歴がはっきりしない場合は、そのぶん早期に交換が必要になるリスクを見込んでおく必要があります。

点検報告書と不具合の有無

増圧ポンプやエレベーターなど定期点検が行われている設備は、点検報告書の開示を依頼しましょう。

報告書には、水漏れや部品の劣化など、売主が積極的には伝えない不具合が記載されていることがあります。小原さんによると、不具合を抱えたまま交換せずに売りに出されるケースも多いそうです。

「指摘事項なし」なのか、「要交換」「要経過観察」といった記載があるのかで、購入判断は大きく変わります。

売主が取得した修繕見積もりの有無

不具合が見つかった場合は、売主が修理・交換の見積もりを取っていないかを確認しましょう。

見積もりがあれば、購入後にかかる費用を具体的に把握できます。見積もりがない場合は、自分で業者に見積もりを依頼することも検討してください。

交換費用が分かれば、その金額をもとに価格交渉の材料にしたり、購入を見送ったりと、冷静な判断がしやすくなります。

設備の保守契約と維持費

エレベーターや浄化槽、機械式駐車場などは、専門業者と保守契約を結んでいるのが一般的です。

契約先、点検頻度、月額費用、購入後も契約を引き継ぐかどうかを確認しておきましょう。エレベーターの場合、警備サービスなどが付いているかどうかで月額費用に数万円の差が出ることもあります。

こうした維持費を把握しておくことで、ネット利回りをより正確に計算できます。

初心者が不動産購入時に必ずチェックしたい設備の項目

最後に、初心者が物件を検討するときに最低限チェックしておきたい設備の項目を整理します。

不動産の設備チェックリスト

チェック項目確認すること
給湯設備ガス給湯器か電気温水器か、設置年数
給水設備増圧ポンプの有無、点検報告書の内容
排水設備下水道か浄化槽か、汚水ポンプの有無
昇降設備エレベーターの有無、点検費、更新歴
空調設備設置年数、業務用か住宅用か
駐車場機械式か平置きか、ロードヒーティングの有無
費用負担下水処理費などの徴収の有無、保守契約の内容

特に、電気温水器・ポンプ・浄化槽・エレベーター・機械式駐車場のいずれかが付いている物件は、交換費用の目安と設置年数を必ず確認しましょう。

現地で確認したい設備のポイント

書類だけでなく、現地でも設備の状態を確認しましょう。

ポンプ室や機械室の周辺に水漏れの跡がないか、室外機や配管にサビや異音がないかといった点は、目で見て耳で聞くだけでも分かることがあります。浄化槽がある物件では、周辺ににおいがないかも確認したいポイントです。

また、物件資料に記載のない設備が見つかることもあります。現地で気づいた設備については、その場で不動産会社に年数や点検状況を確認しておきましょう。

判断に迷ったら専門家の意見を聞く

設備の状態を自分で判断するのが難しい場合は、専門家の意見を取り入れるのも1つの方法です。

建物の劣化状況を専門家が調査する「建物状況調査(インスペクション)」を利用すれば、設備を含めた不具合の有無を確認できます。

費用はかかりますが、購入後に数百万円の出費が発生するリスクを考えれば、検討する価値は十分にあります。

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⑥不動産運営にかかる収益費用の把握の仕方

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まとめ

不動産投資では、表面利回りに表れない設備のコストを見落とさないことが大切です。

不動産の設備主なリスク費用の目安
電気温水器交換費用1台数十万円×世帯数
増圧ポンプ故障・交換200万円前後
浄化槽交換・維持費交換で数百万円
ロードヒーティング燃料費・ボイラー交換1回約3万円/100万〜200万円
エレベーター点検費・全交換月1.5万円〜/1,000万円規模
事務所ビルの空調全館更新数千万円
機械式駐車場部品交換2,000万円

設備は設置から15年が交換時期の目安です。

中古物件を検討する際は、設置年数・点検報告書・費用負担を確認し、更新費用まで見込んだうえで購入判断を行いましょう。

なお、本記事の内容は以下のYoutube動画でも解説しています。

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